中田真央展 “count down” (平面)

12月5日(月)-17日(土) 
11:00-19:00 日曜休廊 (最終日17:00まで)

始まりなのか、終わりなのか。
よくわからないけど、何かが終わって始まるという現象を何年も繰り返している。
次のステージへ進むとき心は何処にあるのだろう。
いったいここは今どのあたりになるんだろう。
中田真央展
〈Electric Honey〉 2016年 パネルに和紙、木版、アクリル、色鉛筆 727×910mm
薄暗くて冷んやりした場所で私は体温を探していた。
お腹に意識を集中させるとポワポワと体内に電流が産まれ、髪の毛の先端から外へ微粒の電気が放出されていく感じがした。
私をとり囲む空間が静かに泡立ち始め、髪の毛がユラユラと踊り、その波の先に彼を見つけたように思う。
この静かな空間を持て余していた私は勇気を出して一言二言彼に話しかけた。まずは自己紹介からと思った。
けれど、残念なことに彼の持っている言語は私のそれとは違って、私達はしばらくお互いの目を見つめ、彼の静かな熱量をただただ感じていた。
中田真央展
〈Buddy!〉 2016年 パネルに和紙、木版、アクリル、色鉛筆 530×652mm
彼らはいつも私を振り回した。
挑戦的な目で見つめてきては、どこまでも楽しそうに。
悪意のないたくさんの罠がそこかしこに仕掛けられ、1日の大半を振り回されることに従事した。
やがて寒い季節が訪れて、あたりは一面の白になり、昼は白昼夢のようだなと私は密かに思った。
しんしんと降る雪を纏って変わらず彼らの体温は高く、私はホッと息をついた。
中田真央展
〈eve〉 2015年 パネルに和紙、木版、アクリル、色鉛筆 500×300mm
人類の母と言われるイヴだって、その誘惑には勝てなかった。
すまし顔の君だって絶対気になってるはずさ。その果実の味なんか本当はどうだっていい。
彼の怒る顔も見飽きたよ。ただ私は別の何かになってみたいんだ。
作家はいつも迷いのなかにいる。
今、自分が進んでいる道が正しいのかわからない。正しいとは何かさえ不確かだ。
あっちへ迷い、こっちへ迷い、気が付くとどこまでも続く螺旋階段を登っている。
同じところへ戻っているようで、少しは登っている。
上手くいっていると思っていても、突然、壁と出会う。
それでも作ることをやめられない。
中田真央展
中田真央展
中田真央展

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