坂倉新平メモリアル展-W − à Paris− 1960’s-70’s (油彩)

1月19日(月)-31日(土)
11:00-19:00 日曜休廊 (最終日17:00まで) 

坂倉新平展
坂倉新平展 
坂倉新平展
 

闘病中、「只ヱガキタシ」と和紙に毛筆で記した坂倉新平さん。
2004年5月19日に亡くなってから早くも11年の歳月が流れようとしている。
1972年、ガレリア・グラフィカでの初めての個展から42年と少々の年月が経ち、坂倉新平の世界を愛し、作品を購入してくださった方々も歳をとり、あるいは鬼界に入った方々も少なからず。画廊主も例外ではない。既に坂倉さんの没年齢を過ぎてしまった。
どうやら、そろそろ様々なことにピリオドをうつ時が来たようだ。
今回の坂倉新平展は、2005年の「未発表新作」展ののち、2006年から続けた「坂倉新平メモリアル展」の四回目であり、終回である。
副題「70年代作品から」以後、「Hommage à Chardin」(2007)、「Tree」(2009)と続いた。そして少し間をおいたが、今回は「à Paris」。
1963年、東京オリンピックの1年前、高度成長期にさしかかっていたとはいえ1ドル360円の時代、外貨は高く日本はまだ貧しかった。
坂倉新平さんは、まさしく”笈を負うて”渡仏し、子守や映画のエキストラ、大使館の料理手伝いなど、何でもやった。食べる物にも事欠きながら、絵具だけはなんとか手にいれた、という話を坂倉さんから聞いたことがあるが、並大抵のことではない。
今回の「坂倉新平メモリアル展-IV」では、 1981年に帰国するまで、19年間のパリ時代の最初期作品群から選んで、展示する。当時のパリは、アンフォルメルの作家たちがまだ現役で活躍し、抽象表現主義の影響の色濃い時代であった。坂倉さんも色彩とフォルム、線と面の動きや構成に、自分の特色を出すべく精進していた。今回の展示では特に60年代-70年初頭の作品にその傾向が強くみられる。物のもつ固有の形にとらわれない、あるいは拒否した表現。いわば無からの表現で、その中に画家の特性が立ち現れる。70年代後半に至ると、坂倉さんの表現は構造物や自然の造形をベースに使いながら自分の表現に取り込む、あるいは、それらの形体や線の持つ美しさを抽出して薬籠のものとする独特の表現となっていった。
今回の展示では、そんな変化も見て頂きたい。そして変わりながらも「坂倉新平」の真底の我=画を見て頂きたいと思う。それこそ坂倉新平の世界の魅力である。
2014年12月                                                  ガレリア・グラフィカ  栗 田 玲 子

坂倉新平展
〈à PARIS〉1965年 油彩、紙 250×255o
坂倉新平展 
1970年 油彩、カンヴァス 650×920o
坂倉新平展 
1969年 油彩、カンヴァス 730×920o
坂倉新平展
1979年〜 油彩、カンヴァス 1140×1460o

坂倉新平の詳細ページへ→